『英語をやり直したい、でも何から始めていいかわからない』
ひとりで考えないといけないから困っちゃうよ
英文法書は、どれも似ているようで実はそれぞれ特徴が違います。
この本は特に、”英文法の基礎を学びたいTOEIC初心者” に最適です。
今回は、学研から出版されている『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』という英文法書のレビューをします。
- この本がTOEICで役に立つのか、どんな文法を勉強できるのか知りたい。
- この本の賢い使い方、効果的な使い方を知りたい。
- 英文法を全くのゼロから覚えたい。
このレビューをどうかこれから始めるやり直し英語の参考にしてください。
『あなたの英語知識の土台を固めて、次の世界を見せてくれる』そんな本です。
『中学英語を~』はなぜTOEIC初心者におすすめなのか
TOEICは基礎を知っているのが前提のテスト
TOEICテストは最低でも、基礎知識に少しプラスしたレベルの問題が出ます。
TOEICで一番簡単なレベルの問題例、クイズです↓ 解けるかな?
空欄に入る単語を選んでね
1. The meeting was canceled ____ the bad weather.
(A) because
(B) due to
(C) despite
(D) although
解説はここをクリックすると見られます
正解は(B) due to
解説: この文では、「悪天候のために会議がキャンセルされた」という意味を持つ語句を選ぶ必要があります。「due to」は「~のために」を意味し、適切な選択肢です。「because」は節を導く接続詞であり、「the bad weather」の前には節が続いていないため不適切です。「despite」は「~にもかかわらず」を意味し、文の意味に合いません。「although」は逆接の意味を持つ接続詞なので、ここでは適していません。
つまり、最低でも The meeting was canceled の部分が読めないと解けないんです。
これでも簡単なほうなんだ…
TOEICを受けるとき、当たり前に知っているべき文法
現在形、過去形、未来形、疑問文の作り方、否定文の作り方、受動態、接続詞、5W1H
TOEICは、基礎的な英文法や語彙力があってこそスコアを伸ばせるテストです。
まず『中学英語を~』のような本で基礎を固めることが、成功の鍵となります。
『中学英語を~』は誰でも理解できる|初心者目線の本
ほとんどのTOEIC参考書は、基礎文法を知っているのが前提で解説がされています。
つまり全くの初心者がTOEIC用教材を進めても、挫折してしまう可能性が高いです。
『中学英語を~』は、初心者でも理解しやすいように作られており、英語の基礎をしっかり学べます。TOEICのスタート地点として、最適な一冊です。
2色刷りで見やすいし
親しみやすいデザインだよ
『中学英語を~』は、ゼロから英語を始める人向けに書かれている。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』 はどんな本なのか
この『中学英語を~』はそのタイトルの通り、中学で習った基本的な英文法だけを丁寧に勉強し直せる英文法書です。
この一冊に3年間の内容がぎゅっと詰まっています。
アルファベットをA~Zまで書けるなら、この本を読み始めて大丈夫!おバカな私でも理解できるように、イチから丁寧な説明がされているよ。
この本一冊で、TOEIC何点レベルになるか?
この本を一冊覚えると、どのくらいのTOEICスコアが取れるようになるのか?
結論から言うと、この本だけだと300点~400点くらいまでは上がります。
つまり、初級者レベルだね
この本は、基礎中の基礎を理解できて、ちょっと発展した内容に入ったくらいで終わります。
応用的な内容には、少ししか触れていません。
英文法の基本だけを知っていても、TOEIC問題では正解できません。つまり…
英語スキルとして全く評価されないレベルまでしか学べません。
※TOEICは990点が満点です。
え?でもこの本はおすすめなんでしょ?
この本でまず基礎を身につけて、そこからTOEICの練習問題をコツコツ解いていけば、500点~600点レベルまでスムーズに行けます。
私がTOEICスコアを条件にしている求人300件を調べた結果です。参考にしてください。
この本はどんな人向け?
この本はどんな場合に最適かというと…
- 中学英語をほぼ忘れてしまっていて、基礎から学びなおしたい
- TOEICに挑戦してみたいけど、何から始めていいかわからない
こういった場合に、最適な英文法書です。
逆に、中学英語をなんとなく覚えている場合は、もう少し広い範囲が載っている英文法書で勉強したほうがいいです。
同じくらいのレベルの英文法書を2冊以上買うと、同じ内容の繰り返しが起きてしまいます。
中学英語をなんとなくでも覚えている方は『マーフィーのケンブリッジ英文法(初級編)Basic Grammar in Use』がおすすめ。
TOEIC600点レベルまでの文法が深く学べます。
『中学英語をもう一度~』改訂版との違いは?
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』は2022年に改訂版が発売されています。
どちらを選ぼうか迷っている場合は、『改訂版』をおすすめします。
内容は変わっていませんが、勉強のやりやすさが改善されています。
- カラーになって更にわかりやすい
- イラストや例題の配置が見やすくなっている
- スマホアプリと連携したいろんな機能が利用できるようになっている
↓改訂版との比較(復習テスト)
音声ページをスマホで読み込む用のQRコードも載っています。買うなら改訂版がおすすめ。
私は間違えて古いほうを買ってしまった。同じミスをしないで。。。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』 の特徴
この本の特徴
この本の特徴はこんな感じです。
- 著者はアメリカ生まれのバイリンガル。
- 英語をもっと感覚的に理解して欲しいという趣旨で作られた文法書。
- 改訂版はカラー刷りで見やすい。
この本の構成
この本の基本の構成は、ページ左側にその単元の解説が日本語でイラストつきで解説されています。
右側には、さっそく練習問題が載っています。
英語の基本的な構成や、be動詞などの基本中の基本から学べます。
be動詞の解説だけで6単元使っています。
英語の基本を丁寧に解説しているのがわかります。↓
be動詞ならbe動詞の解説が一段落した時点で、確認のための復習テストをやることになります。
この文法を理解できているかどうかを総合的に確認するためのテストです。
間違いを恐れずに進めるのがコツですが、間違えた問題は戻ってやり直ししましょう。
復習テストの理解が終わったら、次の単元に進もう。
少し理解が足りない気がしても次に進むべきです。なぜなら、とりあえず一通りこの文法書を終えれば、総合的な理解度が上がっているからです。
一通り理解したあとにもう一度戻ると、復習テストが簡単に感じます。
なので、この本を2周するつもりで進めましょう。総合的な英語の理解が深まっているのが実感できます。
アウトプット練習がある
自分で英文を組み立てる練習問題もあるので、書く能力も鍛えられます。
自分で英語を書いたり、声に出したりのアウトプットをして始めて英語の理解が深まります。
初心者に嬉しい付録付き
初心者にとってありがたい付録も付いています。
- one two three などの数字 一覧
- Sunday Monday Thuesday などの曜日一覧
- January February などの月一覧
それと、基本的な動詞の変化形一覧が、巻末おまけで付いています↓
こういうの、中学で覚えた気がする
『中学英語をもう一度~』おすすめの使い方 勉強法
それでは、私個人が感じた『中学英語を~』のおすすめの使い方を紹介します。
自分で発音しながら勉強すると覚えやすい
音声CD付きなので、実際の発音を聴きながら自分でも発音するといいです。
アウトプットはとっても大事だよ
※改訂版なら、スマホアプリでも聞くことができます。
どうしても声が出せない環境なら、頭の中で発音するだけでもいいです。
発音しながらの英語学習は伸びが段違い。最初は自信が持てなくて恥ずかしいと感じるかもしれないが、ヘタクソでも気にしない。
いきなり完璧な人なんていないもんね
練習問題で、解いて覚える
構成の紹介で言いましたが、この本は「左側に文法の説明、右側に練習問題」が載っています。
文法は左側の説明だけをいくら読んでも理解できないので、まずは左側の説明を軽く読んで、すぐに練習問題に進むといいです。
解いていて、わからなかったら左側の解説に戻って理解して改めて問題を解く。
- 最初に軽く解説を読む
- 問題を解く
- わからなかったら解説を読む
- 次の問題を解く
1~4の繰り返しです。
問題を最後まで解き終わったら解答を見て答え合わせ。
間違えた問題は理解できるまで繰り返し解説を読みます。
どうしてもわからない場合は
この本の解説だけではどうしても理解できない場合は、ネット検索して別の視点からの解説を探します。
この流れで全編を進めていくとスムーズに覚えられます。
説明を読んでいるだけでは文法は覚えられない。問題を解きながら考えることで、初めて身につく。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』で解説されている英文法一覧
この本の紹介の締めとして『この本で学べる英文法一覧』を紹介します。
・主語と動詞 ・動詞 ・代名詞 ・形容詞 ・否定文 ・疑問文 ・名詞の複数形 ・命令文 ・現在進行形 ・過去形と過去進行形 ・未来形 ・助動詞 ・have to ~, must ・不定詞と動名詞 ・接続詞 ・There is, There are ~ ・5つの文型 ・比較 ・受動態 ・現在完了形 ・後置修飾 ・関係代名詞 ・Would like ~ ・間接疑問
基礎的な文法が占める割合が高いですね。
TOEIC600点レベルに届くために、追加で覚えたい文法
600点レベルを目指す段階になったら、『中学英語を~』では足りない文法があります。
全体的に練習問題が足りないので、文法を覚えたら『TOEIC公式問題集』や『TOEIC学習アプリ』などで、TOEIC形式の問題で練習をします。
基礎を覚えてからこの作業をすると、スコアが伸びていくよ。
更にスコアを上げるために 覚えたい文法
600点を狙う場合、TOEICによく出る基本的な問題も正解したいですが、『中学英語を~』で解説がカバーできていない部分があります。
できれば追加で理解したい文法は…
- 句動詞(フレーザルバーブ)
- 関係代名詞の説明と練習
- 各品詞の更に詳しい特徴
- もっと多くの前置詞の理解
↑これらを他の文法書で勉強すれば、TOEIC600点のレベルになります。
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく のネット上の口コミ
ネット上で見つけた、『中学英語を~』の口コミを紹介します。
否定的なレビューも少ないけどありました。。。
レビューのほとんどが高評価でした
『中学英語を~』に向かない人もいる
既に説明している通り、この本は英文法の基礎中の基礎しか学べません。
それはメリットでもありますが、同時にデメリットでもあります。
応用的な問題には、この本の内容だけでは対応できません。その分、基礎は丁寧に学べます。
中学英語をなんとなくでも覚えているなら、もう少しレベルの高い文法書を使って始めたほうが効率が良いです。
例えば、私が英語の学び直しに実際に使った『マーフィーのケンブリッジ英文法(初級編)Basic Grammar in Use』なら基礎の学び直しをしながらも、最初から幅広く学べます。
基本的な文法の20%くらいは覚えていたので、こっちの本のほうが合っていました。
自分の今のレベルに合わせて適切な英文法書を選ぶことが大事。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく』 をTOEICの視点から見てみた まとめ
『中学英語を~』は初心者にとって非常に優秀な英文法書です。
TOEICを受ける前提でレビューした場合、完全に基礎から始める必要がある場合、つまり
- まだTOEICを受けたことがない。
- まずは、TOEIC400点、500点を目指したい。
という場合に最適な本です。
しかし、更にその上のスコアを取る場合には、不足している部分が多いです。
それに、この本で学べるのは文法だけ。
単語は別で覚えないといけません。
文法を学ぶだけなら単語を知る必要はあまりないですが、TOEIC試験を受けるなら単語は必須です。
初心者のためのTOEIC用単語帳なら『金のフレーズ』がおすすめ。
TOEIC初心者~990点までの頻出単語が網羅されています。
しかも安い(980円)
さらに『中学英語を~』では、TOEIC試験に必要な要素である
- 英文を読む力
- パート5に必要な、もう少し突っ込んだ文法の知識
を鍛えることができません。
あくまで、TOEICの勉強を始めるための準備ができる本。いい意味で、基礎中の基礎しか学べない本です。
『中学英語を~』だけでTOEICスコアは劇的に上がらない。スコアを上げるためには他の教材が必要。